味の三平(札幌市中央区南1条西3)

世界初、『味噌ラーメン』を開発し、
『ラーメンライス』の発祥とされる老舗店

(味噌ラーメン)

(天地返し)

(麺)
<ひとくちメモ>
着丼後、命ぜられるがままに天地返しで応えてみると、
味噌と炒めた野菜とが丼内で馴染み合い、
沸々と湧き上がる色香に下種な食指をそそられる。
栄養のバランスを考慮したという長ネギ・玉ネギ・モヤシ・キャベツらが
軽い動物系スープに芳ばしさを加えており、
味噌に被せる好相性のニンニクが琴線を擽ぐる風味を注ぎ込んでいる。
老舗のスープで泳ぐ西山は、強いコシと弾力を備えて優雅に泳ぎ、
麺肌の仕事がインフォのとおりプルンと唇を楽しませてくれる。
非ラード&弱動物系への対応策として、
トピの肉団子によって肉汁&脂が補完される仕組みになっており、
これにて最適な濃度へと仕上がる。
あらゆる素材が一糸乱れぬ働きにより、老舗の味が守られている。
味の評価:S
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てつや・南7条本店(札幌市中央区南7条西12)

なまらベロンベロン状態で解放されたなら、
なまら濃厚な名作醤油は入れておくべきっしょ

(みそらーめん)

(麺)
<ひとくちメモ>
厳選されたゲンコツ・バラ骨・トンソクを中心に、
12時間以上強火でガンガン炊き込まれたというスープは
なまら濃い動物系エキスと背脂に染められた特濃白濁湯。
そこにショッパ・アマい味噌が溶かされて、
なまら重たいエキスが弱ったレバーを虐めていく。
せめて西山で救われたかったところに
小林の縮れ具合が重たいスープを乗せまくるあたり、
昼間の空腹時が最適であろう
ココでは絶対に『醤油』だって前夜から決めていたのに、
なまった出来心からデフォで820万円をふいにしたのでありました。
味の評価:★★★+☆
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らーめん 空(札幌市中央区南3西5)

ススキノに入ったからには
『酒>ラ』は仕方あるまいて・・・

(味噌らーめん)

(麺)
<ひとくちメモ>
ラードをひいて少量のニンニクや野菜類を炒めたところに
“道産もち豚の清湯スープ”を加えてひと煮立ち。
味付けには「焼き味噌」による芳ばしさも加わるが、
味噌自体の甘味が強いため丸みを帯びた仕上がりになっている。
中太の縮れ麺は加水率が高いプリプリ状で、
このテの味噌と合わせるには最適パートナー。
中盤でバラチャーシューのお船に乗っかった生姜を溶かしてみると、
キリッと鋭角系の香りが加わって身体の芯から温まる感じ。
夜のススキノ泣きの一杯は、
なまらしばれるココロとカラダとおサイフとを
やんごとなき方向へと導くギミックに満ちている。
味の評価:★★★★☆
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満龍・駅前通り支店(札幌市中央区)

「ススキノの顔」とされる創業39年の老舗店

(味噌ラーメン)

(麺)
<ひとくちメモ>
中華鍋で炒めた野菜類の中に、アッサリ系の鶏ガラスープが注ぎ込まれて
特製の味噌で味付けされたもの。
昨今の濃厚ラード系でなく、炒めた野菜の香ばしさとニンニクの風味が溶け合い
素朴さの中にもきっちりツボを押さえたオールドタイプのサッポロ味噌ラーメン。
麺はサッポロ定番・西山製麺の中太縮れ麺。
熱々で提供されるスープの中にあっても強靭なコシを維持し、
スープを含んだ野菜類と絡み合ってホクホクと息継ぎしながら一気に食べ進んでしまう。
後味もキリッとしたキレがあり、安心して啜れるスタンダードなサッポロ味噌。
味の評価:★★★+☆
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三栄軒(釧路市新栄)

パーソナル
オレ的道東のれん巡り(トリ)
道東の地において、最も強く訪問を切望していた古民家、いやラーメン店
広島からの訪問を告げるとたちまち変人扱いとなるも
最後はアメちゃんまで頂けて仲良くなれた・・・、かな

(塩ラーメン)

(麺)
<ひとくちメモ>
豚骨・鶏・魚介・野菜類を弱火で煮出して作る透明なダシに、
ラードと課長によって味の輪郭が整えられている。
店主曰く、昔から変わらず特別な作り方はしていないということだが、
ダシの旨味がじわりと伝わってくる優しいお味。
多めのラードは、極寒の地で生き抜くための貴重な脂源の補完か。
麺はご当地スタイルならではの細い縮れ麺。
そしてやや都会的とも思える分厚くも柔らかチャーシュー。
上記2点は業者様のお力添えによるもののようだ。
分業制というバランスを保ちながら、
極寒の地において女手一つ・550円にて身も心も温まる古民家風ラーメン店。
味の評価:★★★+☆
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まるひら(釧路市浦見)

札幌・旭川・函館に続く第4の北海道ラーメン、釧路
クリアなカツオにチリチリ極細のスタイルで、
全国に供給される北洋漁業をスッキリとバックアップしている

(醤油ラーメン)

(麺)
<ひとくちメモ>
きれに澄み渡った醤油色のスープからは、
カツオをはじめとする節系や昆布といった魚介の芳醇な香りに圧倒される。
鶏ガラと魚介を柔らかな元ダレが纏め上げ、それぞれの旨味エキスがじわり・じわりと押し寄せてくる。
ご当地三原製麺の生麺は、添加物・保存物質などを使わない極細の多加水麺。
こちらでは茹でる直前にひと玉づつを生卵を扱うが如く丁寧に手揉みされ、
空気を含ませながら序々に強い縮れがつけられていく。
不揃いなチリチリと、極細の平打ち加減が口内を優しく暴れ回り、
加水を高めた一本一本がムニュリと潰れる感覚にコシ強さが相まって、ピュアに旨さを発揮している。
全てが手作りであり釧路を地で行くスタイルは、まさにご当地のお手本とも思える一杯。
まったく月並みだが、毎日食べても飽きのこない味であり、
朝9時から対面出来た幸せに感謝しつつ、最終日のフィッシャーマンズワーフをスッキリ買い漁るのでありました。
味の評価:S
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浅草軒(網走郡美幌町新町)

鮮やかな赤のラインを纏った瀟洒な外観は、
”美幌のロックz、花やしきや~”

(塩ラーメン)

(麺)
<ひとくちメモ>
鶏ガラ・豚骨を丹念に弱火で炊き上げたクリアな動物系のベーススープに、
イリコの魚介と野菜の和風ダシがブレンドされて極上の塩味スープに仕上がっている。
見た目からはアッッサリ味を想起させるが、反面それそれの旨味要素がギュッと詰まっており、
表面のフレッシュなオイルと相まって重厚な旨味を感じさせるスープ。
薄くカットされたお腐が旨味おつゆをたっぷりと吸い込み、
自身の香ばしい風味を絡めてジュワリ溢れ出る瞬間はえも言われぬ至福の極地。
麺はプリプリの縮れ麺で、スープ・お腐との相性はバツグン。
チャーシュー及び細切メンマには軽い塩味だけの味付けで、
これら全てがこのラーメンの輪郭を崩さぬよう後方支援しているかのような存在価値を持つ。
先代からの味を忠実に守り抜く手抜きなしのご当地ラーメンだ。
味の評価:S
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そば処浜長駅前(網走市新町)

網走駅から程近い老舗蕎麦屋のコアメニュー

(醤油ラーメン)

(麺)
<ひとくちメモ>
御店主の無駄ひとつない一挙手一投足は芸術的な厨房捌きであり、
エアーで店の実力が伝わってくる。
スープはカツオの風味がキリリと効いた蕎麦つゆベースの香り高いダシに、
自家製チャーシューの煮汁がブレンドされた手作り一本の味。
元ダレも蕎麦つゆを思わせる甘味を含みつつもキレのあるタイプ。
余計な小細工がない分、和風を中心としたそれぞれの旨味要素が
純粋に訴えかけてくるかのように感じる。
イノシン/グルタミンらをピュアな製法で引き出した安堵溢れる味というか、
思わずほっこり和んでしまうような一杯は
現代ラーメン史が失ってしまった貴重な要素が詰まった個人的衝撃の一杯。
味の評価:★★★★☆
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しれとこ来々軒(斜里郡斜里町港町)

地元に愛される街の中華屋風情
港町の昼間には、ひっきりなしにお客が来々する

(昔風ラーメン)

(麺)
<ひとくちメモ>
軽い動物系に、濃いカツオの風味が豊かでサラリとしたスープ。
動物系のコクと旨味に欠ける分、全体のバランスがアンマッチに感じる。
ご当地ならではのお腐は、分厚くフワリとした食覚が楽しめる。
ただし味も香りもないため、ここでは特別な仕事はしていない。
クネクネと強く縮れた麺はプリップリの食感で
ワシワシ食べ進めるに適している。
大ぶりなチャーシューに大量の味付けメンマ、海苔、ナルトと量的には過分であるが、
最後まで味の特徴を見出せないどこかぼんやりした感じの昔ラーメン。
味の評価:★★★☆☆
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ぎんれい(阿寒町阿寒温泉)

温泉街の外れにある
民宿兼定食屋兼拉麺屋

(エゾシカラーメン)

(ラーメン)
<ひとくちメモ>
蝦夷鹿のロース肉をふんだんに使ったご当地キワモノラーメン。
コクの弱いコンソメベースのスープに、鹿肉と行者ニンニクとを一緒に投入して
肉に火が通ったタイミングで完成する。
肉汁の旨味はスープには移っておらず、
かえし醤油と行者ニンニクのいい香りが特徴的だ。
鹿肉はロースの部位が分厚くカットされていて、
クセのない赤身とビックリする程にとっても柔らかな肉質。
麺は強いウェーブのかかった細麺で、ゴワゴワッとした口当たり。
鹿ロース肉を除くと凡庸な醤油ラーメンだが、
温泉街の〆の一杯としてアッサリといける。
味の評価:★★★☆☆
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銀水(釧路市末広町)

パーソナル
オレ的道東のれん巡り(長いよ)

(醤油ラーメン)

(麺)
<ひとくちメモ>
濁りのない漆黒のスープは、軽い鶏ガラや和風系がベースになったもの。
ガラとチー油による旨味エキスは感じるが、
元ダレのかえし醤油が強く全体を支配して他を感じさせない。
平らなチリチリに縮れた平打ち麺は、チ●ンラーメンを彷彿させるフワリと軽い感じ。
口に含むとゴワッとした食感があるが、喉元をソフトに溶けて行くようであり
これまで味わったことのないような斬新な感覚。
トッピングは脂身の少ないチャーシュー、細メンマと多めのネギが浮かぶ。
創業昭和10年という釧路くっしの老舗店だけあって、
シンプルの中に経年の複雑な要素が詰まった実に懐深い一杯。
味の評価:★★★+☆
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魚一(釧路市幸町・くしろ丹頂市場内)

パーソナル
オレ的魚がしのれん巡り

(魚醤ラーメン・あっさり) ※あっさり・こってりから選択

(麺・細麺) ※細麺・太麺から選択
<ひとくちメモ>
15キロの秋刀魚から6,7キロの魚醤ができ、250食分の魚醤ラーメンが出来上がる。
ちなみに魚醤の完成までには1.5ヶ月を要するという。
丼からは魚醤の香りがほんのりと立ち込め、
麺を啜ると更に魚のいい風味が抜けて行く。
魚醤のショッパさが気になるところだが、
インパクト系ではなく優しいマイルドな魚介系といった印象。
麺は透明感のある細い縮れ麺で、スープをしっかりと拾い上げてくる。
アオサも盛られているが危惧した磯の風味は抑えられており、
麺と絡まり合う役割を果たして異なる2つの食感と、更なるスープを拾ってくる。
手作りの燻製チャーシューはかなり分厚いのだが、ふっくら柔らかで食べ易い。
ただしこちらも塩分濃度は高め。
フレッシュなアサリも加わり、丼の中に海の恵みがふんだんに織り込まれている。
味の評価:★★★+☆
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三日月食堂(富良野市朝日町)

『北の国から』でしばしば登場したお店
注)ホールのおばちゃんは、食事途中の子供の丼を下げるハプニングもなくとても温かい接客だった

(醤油ラーメン)
<ひとくちメモ>
かつお等の節系のダシが濃く出ており、そばつゆにも似たスッキリ醤油味のスープ。
それでいて動物系の確かなコクもあり、後口にじんわり甘味も追っかけてくる。
魚介好きならずとも、日本人ならホッとする優しい味だ。
これに合わせる麺は、少し平たく潰れたモチモチ中太麺でスープとよく絡んで旨い。
トッピングの大きめキクラゲには少量のゴマ油がまぶしてあり、
途中のアクセントになってこれは珍しい。
飽きのこないシンプルな味だけに、一気に完食・完飲だ。
味の評価:★★★★☆
狼スープ(札幌市中央区南11西1)

メニューは味噌一本で勝負
店内は壁面から天井に至るまで有名人のサインで覆い尽くされている

(味噌ラーメン)
<ひとくちメモ>
中華鍋で野菜とスープを合わせるのだが、注文を4,5人前程度まとめて調理し、
野菜が炒まってないうちからスープを投入していたので、野菜の香ばしさ・シャキシャキ感がない。
スープは天然水を使用し、動物系の他にじゃがいも(北あかり)やゴマ・山椒・唐辛子等の
香辛料が隠し味に使われている。
決して濃厚ではなく、臭みのないスッキリとしたベーススープだ。
中太の黄色い玉子麺は、強めのウェーブがスープを持ち上げ
ムニムニと食感も良くてまさに味噌ラーメンにベストマッチの麺だ。
前評判では「力強い味噌ラーメン」と聞いていたが、味噌のしょっぱさが際立ち
脂も少なくコクの薄い味だった(ファーストロットのせいか?)
期待とは裏腹に特別な印象は残らなかった。
味の評価:★★★☆☆
五丈原(札幌市中央区南7西8)

8年前の味の記憶を求めて再訪

(味噌ラーメン) ※提供時には海苔がセンターに被さっている
<ひとくちメモ>
昨今のサッポロ味噌ラーメンにありがちなラードたっぷり系ではなく、豚骨ベースながら
サッパリとシンプルな味噌ラーメン。
それゆえに突出した特長は見当たらないが、正統派味噌ラーメンといった印象だ。
(個人的には「こんなに薄かったっけ?」と自問した)
麺は一般的な札幌系より細く、手もみ風のウェーブが特徴的。
チャーシューは箸で持てないほどのホロホロで、これはこれで旨いが肉を食べてる気がしない。
この店では「とんしお(とんこつ塩味)ラーメン」と「チャーシューおにぎり(特大)」が人気だ。
ああ、8年の歳月は互いに変化をもたらす…
味の評価:★★★☆☆