丸長中華そば店(杉並区荻窪)

早朝からのDGRをよそに
厨房では老舗の仕事がゆったり流れる

(チャーシューつけそば)

(麺)
<ひとくちメモ>
1ロット15-6人前を茹で上げる壮絶な羽釜は、
都度湯を落とす老舗のルーティンオペレーション。
甘い・辛い・酸っぱい・ショッパいが同居した
丸長伝統の豚骨&鶏ガラスープをベースに、
黒胡椒のスパイシーと香味油のジャンキーが融合する。
適度に魚介も顔を出し、最後に醤油のキレがさらって行く。
大量の短冊チャーシューに麺の侵入を阻まれる中、
薄い灰褐色を帯びた艶やかな自家製麺は、
表面水っぽい滑りとソフトな弾力を持った素軽さも伴う。
茹で前250gも一心不乱に啜った果てに、
最後は柄杓から注がれる割りスープで熱々に〆ることが出来る。
味の評価:S
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八千代軒(仙台市若林区蒲町)
呉屋(大田区蒲田)
美香蘭(松江市島根町字大芦平床)

長い山道と長いトンネルを抜ければ
そこは突如大行列じゃった

(しょうゆチャーシュー・ニンニクOFF)

(麺)
<ひとくちメモ>
注文時にニンニクの有無を聞かれるが、
初手に付きプレーンをコール。
きれいな湖面にはチー油がキラキラと輝きを放ち、
清湯を含んだ瞬間、鶏の大群が一斉に羽ばたきまくる。
ご当地特有の黄色い縮れ麺はスープをしっかり絡め取り、
噛み潰すとモチモチとした弾力で押し返してくる。
6枚のバラチャーシューは極厚にカットされ、
皮に近い脂身からは甘味が溶けるように広がり、
スープを吸った赤身と一体化している。
想定外の肉量に最後の麺と同時にフィニッシュ出来る。
味の評価:S
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健やか(武蔵野市中町)

ヲタ的ブレイク必至の
昆布水フコイダン・グルタミン系つけ

(つけ麺)

(つけ汁)

(麺)
<ひとくちメモ>
八の字に畳み込まれた国産小麦100%の自家製麺は、
貝昆布水に半身浴の状態で提供される。
インフォの通りまずは宮古島の雪塩をてっぺんに乗せ、
貝昆布水に浸ったまんまパツパツの歯切れからスタート。
つけ汁は大山丸鶏の清湯エキスをベースに、
ホンビノス貝・アサリ・節・煮干しの旨味要素を合わせ、
複数種の生醤油でキレッキレの淡麗系を実現している。
そこに貝昆布水フコイダンにまみれた麺をさっと潜らせて、
強烈なグルタミンとの相乗効果を楽しめる。
タルトゥファータ香味油が淡麗スープを昇華させ、
啜り続けるほどにフコイダンの粘度を増す不思議な体験。
低温調理の豚・鶏チャーシューに穂先メンマも鉄板のデキで、
最後は器に残った貝昆布水を割りスープに使い、
丸鶏とフコイダン・グルタミンとの芳醇な結び付きを形成する。
味の評価:S
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長八(流山市若葉台)

流山くんだりで90分前のシャッターも
思いもよらぬ出遅れ感満載な7番手…

(つけめん)

(麺)
<ひとくちメモ>
ゲンコツ・鶏ガラ・豚足の濃い動物出汁に
フレッシュなサバ節をキーンと効かせ、
キレのあるカエシでもって力強いつけ汁に仕上げてある。
一日80玉限定の自家製麺はまるで饂飩のような極太。
艶やかな麺肌を保ってヌルリと滑り込み、
手切りによる不揃いな平打ちを噛み締めると強靭なコシではね返す。
表層に浮かぶ白胡麻と炒めたネギ油をリッチに絡め取り、
芳ばしさを連れて来て極上の啜り心地。
つけ汁の中には焼き色がついた笹切りネギと、
炙りの入ったザク切りチャーシューが大量に沈んでおり、
ハイクオリティなパーツが調和した崇高なる一杯。
味の評価:S
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とんちぼ(日高市栗坪)
来々軒(上越市西本町)
次念序(鴻巣市滝馬室)

言わずと知れた
六 直系の遺伝子が冴え渡る

(つけ麺)

(麺)
<ひとくちメモ>
良質な動物系エキスは濃厚なれどしつこくはなく、
魚介がビシッと効いて香ばしさを醸し出す。
甘み要素は微弱で、特製の七味を加えるとシャープに締まる。
毎朝打つ自家製麺は、純度の高い国産小麦と全粒粉が使われ、
茶褐色の極太麺を噛み締めると半端ないハードな弾力と、
全粒をすり潰した粉感覚がダイレクトに押し寄せる。
つけ汁にはバラ肉ロールチャーシューが2枚沈んでおり、
スープに馴染んで脂身はトロトロ状。
ブーメラン方式のスープ割りでサッパリ〆れば、
六を凌駕する高品質な余韻と充足感に満たされる。
食後の丼底からは、お約束の骨粉&魚粉が見送ってくれる。
味の評価:S
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勝本(千代田区神田猿楽町)

高級割烹を思わせるカウンターに
寿司職人風情の凛とした板さん達

(清湯「しょうゆ」つけそば)

(2種混合麺)
<ひとくちメモ>
清湯(しょうゆ)スープには煮干・カツオの魚介が芳醇に沸き、
カエシと絡んでシャープでキレッキレの淡麗系。
鶏ガラ&節系エキスによる上品なそばつゆをも彷彿させる。
2種の浅草開化楼の特製麺は、丁寧に折り畳まれた状態で茹で前280g。
中細麺は、低加水のザクザクとした千切り食感の後に
潰すと小麦の甘みを帯びた粉感覚と粘りを持ち、
平打ち状の太麺は、麺肌ピカピカに輝くストレートで、
多加水特有の柔らかな口当たりにモッチリ感を伴って喉越しは最良。
途中で原了郭の黒七味を振り掛けると、
香り豊かな香辛を伴って和風路線への拍車がかかる仕様。
最後はスープ割のコールで、三つ葉を加えてサッパリ〆ることができる。
味の評価:S
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べんてん(練馬区旭町)

静かな練馬の朝9:10
復活を喜ぶシャッターも既に5番手

(つけめん・中)

(麺)
<ひとくちメモ>
従前変わらぬ田中さんの勇姿に安堵しつつ、
カウンターの昼ビー率を黙殺して歓喜の瞬間を迎える。
調味料を小さじで配分する往時のスタイルで、
デフォでもたっぷりの細切りメンマと乱切りチャーシューを潜めた
懐かしいお顔のつけ汁には、表面にトロ~リとしたオイルが膜を張り、
シャバいが確かな動物&魚介出汁にオイルが絡んで特有の風味を作り出す。
昨今の極太で開発された身体にはこんなに細かったっけ!?
と感じてしまう自家製麺は、ツルピカの麺肌にソフトな弾力を持ち、
茹で前350gもペロリと完食させるべんてんマジック。
腹パンで成増へと続く道すがら神田川の想い出がフラッシュバックする程、
完璧なるベンテニズムの継承。
レジェンドと呼ぶにふさわしい銘店の復活劇。
味の評価:S
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長さん(松江市上乃木)
二階堂(千代田区飯田橋)

シャッターの大行列も
女将の鬼接客で次々捌かれていく

(手もみ煮干そば)

(麺)
<ひとくちメモ>
素材に拘り抜いたスープの状態を均一に保つため、
注文の都度、大型寸胴から手鍋に移して温め直される。
ひとくち含むと伊吹産煮干の大群が押し寄せ、
端麗系の大山鶏エキスと最適に融合している。
手揉みでピロピロ状の多加水麺はツルピカの麺肌で滑り込み、
押し返す弾力とモチモチの密度感を楽しめる。
みじん切りの玉ネギと浅葱が麺によく絡み、
最後まで飽きることなく一心不乱に啜らせる。
極厚のバラチャーシューは皮付きタイプで、
良質な脂身からはジューシーな甘みもが感じられる絶品。
味の評価:S
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味の大西(小田原市栄町)

湯河原を発祥とし
親族のみで派生する小田原系のガンソ

(ワンタンメン)

(麺)

(ワンタン)
<ひとくちメモ>
厚みのある動物系に負けないくらいのカエシが主張し、
ラードの芳ばしさが特有の風味を発している。
それぞれの素材が個性を放つが、課長が全てを丸く収めている。
中太ノコギリ麺は平打ちのクネクネ感と、
かん水を控えたフワフワ食感を伴ってスープとしっくり馴染む。
デフォ5粒も入るの餃子サイズの大型ワンタンは、
生姜がピリリと効いて濃い目の味付け。
ドス黒く煮込まれた丸太メンマは甘辛で、
柚子片に三つ葉と細ネギがフレッシュ感を吹き込む。
ココではデフォのラーが存在せず、
神奈川西部の二郎と揶揄されるとおりコレ一杯で連食の夢は断念。
味の評価:S
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ほん田(北区東十条)

21歳で独立開業し
瞬く間に大行列店を創出した若き天才

(濃厚豚骨魚介つけ麺・魚介風味)

(麺)ヤワ
<ひとくちメモ>
使う素材と出汁の摂り方に並々ならぬ拘りを持ち、
パない原価率によって作られるベーススープは、
動物系と魚介系が見事なバランスで融合し
コクとキレと風味が共存する崇高品。
心の味食品の特注麺はヤワ指定でも強靭なコシを持ち、
啜り心地がジャストサイズのストレートタイプ。
潰すと小麦の粘りが感じられ、つけ汁の塩っ気と程よく融和する。
燻したレアチャーシューに乱切りの薫製チャーシュー、
更には大人の味玉として定評があるブランデー入りの味玉など
随所に妙技が込められている。
味の評価:S
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